Daily WINS(第5号)

アカペラで陥るマイク歌唱の罠

マイクを使って歌うことが多いアカペラ。ダイナミクスを付けやすい、バランスを取りやすい、低音域も音量を出せるなど、数多くのメリットがあるからです。
ただしマイク歌唱に慣れていないと陥りがちな罠があります。
それは「自分の声が聞こえなくなる」こと。
マイクを使うと、自分の声よりも、各パートのスピーカーからの音のほうが大きく耳から入ってきます。この状態に慣れていないと自分の声が聞こえないまま、大声で歌ってバランスが崩れたり、音が外れたまま歌い続けたり、しかめっ面で歌い続けるハメになります。
ではどうすれば?
もっとも手っ取り早い改善方法が「片方の耳に耳栓をする」こと。耳から入る音を遮断することで、頭の中で響く自分の声が聞き取りやすくなります。ただし他のパートの音を聞くために片耳はあけておきましょう。
根本的な解決策は、マイクを使わない練習を重ねて、ハモっているときの感覚を身体に染み込ませ、マイクを使っても正しいハーモニーを頭で再生しながら歌えるまでに仕上げることです。その上でマイクを使ってアカペラで歌う機会を多く設け、相対的に自分の声が小さく聞こえる状態に慣れましょう。
さあ、罠を手なづける方法がわかったところで、早速忘年会でマイク歌唱でのアカペラを披露するべく練習してみてはいかがでしょうか?
(by Wのわかすぎ)

アカペラこと始め

アカペラを生で初めて聞いたのは14カラットソウ ルというグループ。山下達郎がプロデュースしたDooWopグループです。しばらくして早稲田大学の学祭でSCSというサークルのアカペラ演奏を聞いて興奮するも、当時音大生の私はピアニストでしたし、ポピュラーミュージックへの心理的制御もあり、その道へ入っていくことはできませんでした。
しばらくしてジャズコーラスを始めるも、メンバーが多いので練習時間の調整や楽譜などの事前準備が大変すぎたりしたこともあり、いつしかアカペラグループへと舵を切っていました。
これが私のアカペラ人生の始まりです。その時アカペラグループへ舵を切るきっかけになったのが、今一緒にWINSで歌っている若杉です。
ですから私のアカペラ歴と若杉と知り合った年月はほぼ同じなのです(笑)。
それから私はいろいろグループを立ち上げたり渡り歩いたりして、今ではアカペラ楽譜を書いて売ったり、教える側だったりと、アカペラを仕事にするまでになりました。
(by Nのなかむら)

―アカペラ・パート心得の条―

〝土鍋の蓋〟であれ!(Top Tenor)
歌詞違えても、天下平定! (Lead)
深み、背負ってます! (Baritone)
ゆるぎない、基盤。 (Vocal Bass)

ベースパート その深遠
~アカペラと合唱での違い~

あくまでも私の場合ですが、細かいところを言い出すときりがないくらい、歌い方を変えるよう意識しています。
声の出し方、リズムの捉え方、それにベースでは機会があまり多くはありませんが歌詞を歌うときの口の動かし方、音程の精度と身体の使い方、ブレスの持たせ方、他のパートの動きへの反応、視線の対象、等々全部違います。
このように質が全然違うものなので、どちらが大変か、という単純な比較はできません。
合唱の場合はやはり声の質と量を磨く必要があり、アカペラの場合はリズムと音程を磨く必要があります。そういう意味では合唱は基礎体力が勝負、アカペラは反射神経が勝負みたいなところがあって、どちらかというと反射神経がはたらくうちはそれで勝負を続けたいと思ってますが、指揮者がいる・いないの違いも大きいし、取り扱う音楽のジャンルも全く違うため、それぞれの良さは全然違うものなので、今後もできる限り両方楽しんでいきたいものです。
(by Sのさいとう)

四差路―編集後記―

中学の合唱部で歌い始めたものの、目立ちたいなどと思ったことは一度もない少年で、人生「その他大勢」のポジションで人知れずやり過ごしたい、と思っていた。しかし3年生のとき、ソロに抜擢されてしまう。
オトナになってもこの性格自体は大きく変わっていないはず、なのだが、WINS阿佐ヶ谷でリードを拝命して早3年目。
11月、3回目の出演となるミヤジャズイン(宇都宮)での演奏は屋外ステージではなく、旧店舗を活用したイベントスペース(屋内)だった。店舗奥のステージで我々が演奏を始めると、間口一杯の入り口側でワラワラと人垣ができるという経験を久しぶりにさせていただいた。まさにリード冥利に尽きる。
例えば泣けるようなバラードで、歌い手が先に泣いてしまうようでは、音楽の感動をお伝えすることはできない。リードに求められるのは意外にも、平常心だ。
6月、アカペラ・ワークショップにライブのデモでサプライズ演奏。のつもりだったのだが、松岡由美子さん(VOX ONE)のご登場があって、サプライズ返しに遭う。とっても緊張しました、英語の歌。
更に遡る3月の主催ライブ「五人囃子で驢馬駱駝」では、当日朝になってやたら小道具をいっぱい渡された。「WINS的悪ノリ」が始まったといわれるライブになった。
リードに求められるのは、いつでも平常心ですが…さて、今日はどんな演奏になりますか。
(by Iのいちかわ)

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