「楽譜の風景」
-ヴォーカルベース編-
WINS阿佐ケ谷で使っている楽譜は多くがアカペラ本舗謹製だが、楽譜の扱いは4人とも違い個性が出る。
わたしは楽譜を印刷・製本すると、書き込みと楽譜をめくる動作、左右の楽譜の風景を合わせて覚えないと暗譜ができない。特にベースは歌詞が無いことも多く、似たパターンが続くところも多いため、楽譜を1ページずつ見ていくのでは曲の構成が頭に入りにくい。
製本はすべて谷折り+糊付けで行っていたが、最近は小冊子(平綴じ)形式で印刷し、マックスの「ホッチくる」という製品で綴じる方法を学んだため、楽譜の重さが半分になりとても助かっている。
ところで、歌い方の手助けになってくれた書き込みも改めて読み返すと意味が全く分からないことがままある。しかし暗譜の際の目印になっていることもあり、うかつに消すと頭の中で小節が飛んだりするため、消すこともままならないのが悩ましい。
(by Sのさいとう)
廃部からの迷走
-アカペラ事始め-
コンクール常連校だった中学の合唱部で歌い始めて、今年で丁度40年。
合唱部がすでに廃部だった高校時代、写真部仲間に誘われるまま当時流行していたフュージョン・バンドのキーボードに。それまでホールでの音楽演奏しか知らなかった世界が一気に開けた。並行してOB合唱団で歌い続けてはいたが、ステージと客席の距離感の遠さが徐々に物足りなくなってくる。
学校行事の度に校歌をヤケッパチ歌いしていたら、その大声に吹奏楽部の同級生から目をつけられ、一緒に非合法組織「合唱愛好会」を結成。部の設立要件を満たさないまま、毎年文化祭で渡り廊下に現れてはゲリラライブを敢行していた。
ようやくDoo-Wopスタイルから「アカペラ道」に入ることになった大学時代。歌と楽器バンドの流れが、自分の中でようやくひとつになった。楽器バンドにも合唱団にもない身軽さが魅力だったが、今や集まるだけでも大義名分が必要な社会人。公園や渡り廊下で無心に歌えた頃が懐かしい。
(by Iのいちかわ)
コーラスの新たな楽しみ方
-スキャットとシラブル-
今回ご一緒するペコンボさん。今では歌詞のある歌をたくさん歌っていますが、私が参加していた頃はいわゆるスキャットで歌う曲が多かったです。
「シャバダバ」「チュルッチュ」「パヤッパ」…適当に歌ってるようで、実は「この部分は『サバドゥワー』が良くない?」とかいいながら細かく決めています。歌詞として歌っているわけです。
音を伸ばす時によく使う「ウー」「ワー」なども含め、このスキャットの歌詞「シラブル」は人(グループ)によって実はかなり個性があります。WINS阿佐ケ谷ではNのなかむらと私がアレンジをしますが、この2人でさえ使うシラブルが全然違います。私は比較的自然でスタンダードなものを多く使いますが、なかむらは他ではあまり使われないものをあえて多用します。こうしたいわゆる歌詞ではない部分のシラブルが、どうしてそうなったかを想像しながら聴いてみると、コーラスの新たな楽しみ方が増えると思います。ぜひお試しあれ!
(by Wのわかすぎ)
四差路
▼ラグビーワールドカップが終わった。日本での開催とあって多くの「にわかファン」が生まれた。これをどう「本物のファン」に結びつけるか。 ▼ラグビー界では、選手育成強化を行い、試合を盛り上げ、考えれば課題が山のようにあるだろう。 ▼現在、国内リーグ戦は社会人チームでの対戦。平たくいえば半分サラリーマンである。 ▼プロ化構想もあるようだが、果たしてすんなり行くのか。 ▼個人技が大きな比重を占めるのではなく、15人が一丸となって敵陣を目指すスポーツである。そこにはプロ野球やプロサッカー以上に大きな絆が生まれるだろうし、金銭トレードなど、「選手=商品」というビジネスライクな考え方ははたして通用するのか? ▼記者の属するWINS阿佐ケ谷も、「にわかファン」や初めて聞いた人を「本物のファン」に変えていく努力が急務。まずは草の根でも周りを変えることが業界自体を変える一歩と信じて歌ってみたい。
(by Nのなかむら)